宝塚大劇場花組公演『アルカンシェル』 ~パリに架かる虹~

2月11日(日)11:00公演 A席1階上手(チケトレ)
2月11日(日)15:30公演 S席1階上手(e-plus)
2月13日(火)11:00公演 S席1階センター(友の会先着)
2月13日(火)15:30公演 S席1階センター(ファンクラブ)
2月20日(火)11:00公演 A席1階下手(友の会先着)
3月19日(火)11:00公演 A席1階上手(チケトレ)
3月19日(火)15:30公演 A席1階センター(チケトレ)
3月20日(水)13:00公演 B席下手(チケトレ)
3月21日(木)13:00公演 A席1階下手(友の会先着)
3月22日(金)13:00公演 B席下手(ファンクラブ)
3月23日(土)11:00公演 A席1階ドセン(チケトレ)

サヨナラ公演なのにあんまり観に行けないなーと思っていたけど、最終週に追い込んで知らんまに11公演観てた。
2月の初日明けてすぐの公演は「あー、きっと色々ギリギリ間に合ったんだろうなー」という感じで。ほんまお稽古前に脚本仕上げてあげて(知らんけど)。
でも3月に観た時は、それぞれがあの時代をちゃんと生きて脚本の隙間を埋めていてよかった。

・柚香光マルセル登場の黒燕尾は眼福。横から見た時のご本人は本当にびっくりするくらい薄い(?)のに、燕尾服を着ても全く華奢な感じがしないのがすごい。それは燕尾服以外にも言えることだけど。柚香さんが常々言っておられるように体幹と筋肉の使い方なんだろうな。どうしてもトップになると痩せすぎてしまって衣装を着ても華奢な感じがする方もいるけど、そうすると女性感が出てしまう。その点でも柚香光は本当に男役に徹していたなぁ。がっつり刈り上げた髪型も素敵。
・初見からピエロの踊りが本当に好き(慰問の時含め)。いつもはどうしてもお顔が見たくてオペラを上げてしまうけど、ピエロだと純粋に踊りを楽しめるのもよかった。柚香光の踊りはその時の心情がビシバシ伝わってきて感動するのだけれど、今回ピエロのダンスを見て改めてそれを強く感じた。
・すごい細かいけど「パリにナチスが」の場面の号外の新聞の紙質が気になった。号外であの紙使うかな?ついでにペットボトル的なものが出てくるのも気になる。あの時代にあんなプラスチックあったんだろうか。それともあれはガラスなんだろうか。
・「たゆたえども沈まず」は本当にいい曲。柚香光の声がいいんだよなー。しかもどの場面でも歌への導入がすごく滑らか。
・柚香光の喧嘩の演技が好き。
・この公演がだんだん良くなってきた理由の1つは輝月ゆうまのねちっこさ、嫌らしいが増してきたからだと思う。もっと悪くてもいいくらい。だって実際のナチ親衛隊ってもっともっと冷酷で残酷だったんだから。柚香光退団後はきっと花組さん以外宝塚はあんまり観なくなるように思うけど、輝月ゆうま出演の公演は観たい。
・幕前でマルセルとカトリーヌが「さっきは御免なさない」とか言って踊りながらやりとりする場面は、最初の頃はセリフとかちょっとコント感があるよなーと思ってたんだけど、3月に観た時は自然な感じになっていてよかった。星風まどかの演技が全体的に自然になってきたのも観やすくなった理由の1つかと思う。
・楽屋を出て行く時の柚香光のトレンチコート姿が超キマってる。ここの「はい、はい」とか「わかってるよ」とかの言い方も男だわ。
・これもすごい細かいシリーズだけど、ホテル・ポンパドゥールで「PROST」って言ったあと、イブが「何て言ったの?」って言うけど、もう少しヒソヒソ声で言ってほしいな。流れがスムーズじゃないというか。もし観客に説明するためのセリフなら無くてもいいくらい。
・マルセルの部屋のカトリーヌがなぜアルカンシェルに入ったかのセリフだけやけに長いのは小池先生のこだわりなのか(笑)。確かに私も小学生の時に初めて宝塚を観たのは3階席でお芝居やショーの内容とかじゃなく、ラインダンスに強烈に惹かれた。で、また観たいと思って麻実れいの色気と大地真央のキラキラ具合にやられて本格的にファンになった記憶が。当時は当日券も結構あったし3階席は500円だったなー。新参者を取り込むにはやっぱりもう少しチケットが買いやすいほうがいいと思う。
・マルセルがタイ外すのはお約束で好き。これを追加してくれた柚香光に感謝。
・マルセルの部屋のキスシーンもマルセルが男で好き。カトリーヌの肩に2段階でがっつり顎乗せるのとか柚香光ならではだわ。「もっと燃やして燃やしつくてやる」という小っ恥ずかしいセリフも柚香光だからこそ小っ恥ずかしさを極限まで減らせているんだと思う。昔から小池先生はリアルな男女のやりとりを描くのは苦手という印象がある。

・マルセルの取り調べの場面は柚香光の美しさを味わえる。鞭でパーンってやられた時の打たれ方が本当に打たれているよう。
・マルセルがレジスタンスに入る時に歌う「🎵俺は名乗る レジスタンスーー」の「レジスタンス」の言い方が好き。
・慰問の場面のカトリーヌが歌う「待ちましょう」が心に沁みる。
・小池先生が恋愛を描けない問題だけど、マルセルが慰問から去る時のやり取りもちょっと違和感がある。この場面で愛する女性に「勇気あるなぁ」って言うかな!?連れて帰りたいのにそれが出来ないもどかしさをもう少し描いてほしかった。「勇気あるなぁ」って言うくらいならただガシっと抱きしめるだけでいいんじゃないかな。いや、それでも柚香光は最大限に愛おしさを表現してたけど。
・コンラートの歌から始まるサ・セ・ジャズの場面は好き。セリ上がりで登場する柚香光の頭の形の美しさに毎回驚いてしまう。
・爆破操作所のフリッツが電話に出た時の「ハッ、ハッ、ハッ」というセリフは難しいんだろうな。最初の頃は強烈な違和感があったけど、3月に観た時はさずが永久輝せあという感じで随分自然な言い方になっていてよかった。
・ジェラールとのやりとりを終えた後のマルセルとカトリーヌのやり取りで「ん?」とかちょっとうなづくマルセルが男!かっこいいわー。

・フィナーレのラヴィアンローズの柚香光の美しさよ。本当に発光している。娘役さんとの絡みもこれぞ花男の真骨頂。甘い、甘いわ。初日明け観た時は銀橋での歌い出しはちょっと稽古時間が足りなかったのかな?と思わないでもなかったけど、3月に観た時は安定していてよかった。
・これは本当に好みの問題なんだろうけどKAORIalive先生の男役群舞の振りが個人的にいまひとつ刺さらない。どうせならもっともっとオラオラでいいと思う。ちょっと小手先感があるというか(えらそう)。
・柚香光と星風まどかのデュエットダンスは至高。この2人ならどんな振りでも衣装でも最高のデュエットダンスにしてくれる。お互いの相手を思う心が伝わってくるからなんだろうか。まどかちゃんは娘役として常に控えめにしてるけど、デュエット終わりの拍手は完全に2人に対してだと感じてほしいな(おこぼれを頂いている、みたいな事を言ってたので)。毎回泣きそうになるけど泣いたらオペラが曇るので必死でこらえてたら、涙が鼻だけを通るようになったわ。

東京公演が更にどのように深化していくのか楽しみ。

 

柚香光 スペシャルコンサート 『BE SHINING!!』 -華麗なる時-

11月29日(水)11:30公演 1階センター(ファンクラブ)
12月1日(金)13:00公演 1席上手(ファンクラブ)

もー、なんなの!すべてが良すぎた!!
柚香光ファンの夢かなえたろうかスペシャルだった。
藤井大介先生ありがとうございます。なんか巻き添えくらった記事が出たりして大変だとは思いますがお身体大切になさってください。
まぁそれにしても柚香光の可能性は無限大。観るたびにK点超えしてファンを驚かせ魅了させてくれる。

・ポップアップでの登場はのっけからボルテージ上がる。
・R.Y.氏の振り付けはフィーの世界観をあますところなく表現する振り付けで素晴らしい。これが初とは思えないレベル。そういえばなつめさんも退団公演で振り付けされておられたなー。
・お芝居の曲メドレーで曲ごとに瞬時に目と姿勢が変わるのが凄すぎる。ゾクゾクする。
READY STEADY GOはもちろんカッコいいんだけど、スタンドマイクが倒れないように気を遣っているのが少しもったいないので、起き上がり小法師のように横にしても立ち上がるスタンドマイクにしたらいいのにと思った。そういうマイク見たことある気がするんだけど。
エリザベートは圧巻。痺れる。最大限の賛辞を贈りたい。まず歌がさらに上手くなっていてびっくりした。そしてたった2曲なのにお芝居を観たかのような満足感(もちろんもっともっと聴きたいけど)。29日に観た時はトートが歌いながら笑っていたように思うんだけど幻だったのかな。最高にゾクゾクした。でも1日とライブ配信では笑ってなかったな。このトートに私も最期は連れていってほしい。柚香トートの場を支配する帝王感が本当に素晴らしかった。まどかエリザの顎クイした後の冷たい目に引き込まれる。トートが最後階段登って行く時の右腕の動きが好き。死に惹かれるという倒錯感を歌だけでこんなに味わえるとは(賛辞が止まらない)。
・そんなトートを観た後であんなクラシックで少しお茶目なノクターンを観ると本当に感情が忙しい。舞台で輝く才能は天性のものだろうけど、それを弛まぬ努力と長年の研鑽のもと、高い技術と表現力とともに踊ってくれるので観客は夢見心地。柚香光のバーレッスンを観てみたいなー。退団の時に追っかけ?Blu-ray出ると思うんだけどそこに入れてくれないかな。
・アイドルリストでペンライト振れたのが嬉しかった。

・第2幕のひたすらサインを欲しがるフィー(変)は可愛かったなー。おしりフリフリしたり、目線もらったって喜んだり。まどかマドンナのエキサイターも良かった。
・そしてそしてチェンジボックスに入った後の柚香光の言葉では言い表せないかっこよさよ。ほんまいったいなんなん。今回のコンサートのビジュアルが本当に好き。今となっては退団後の新たな可能性を見てみたいという思いが強いけど、こういうバリバリギラギラな男役姿を観るとやっぱり宝塚でしか味わえないものがあるなーと退団を寂しく思ったりもする。
・CONGA!!の歌い出しの「ハァー」もめちゃくちゃかっこいい。
・そしてENCHANTEMENTの優雅な感じから一瞬でビーストになる目がすごい。何度も言うけど痺れる。誰よりも腰の低いダンスも大好き。そして今回過去の曲を今の歌うまで、もう一度聴けるのが嬉しい。
・こんなにファンにとって最高が続いてきて、極めつけに「プレイバック Part2」がくると息の根を止められる。いやーすごかった。「僕にとってれいちゃんは山口百恵」という藤井先生の気持ちよくわかります。Blu-ray出たらトートとこの場面、むっちゃリピートするわ。色気と人としてのかっこよさが山口百恵と通づるものがあると思う。
・MCコーナーやアンコールでジェンヌさんがわちゃわちゃ楽しくしてるのを観るのは本当にいいもんだ。メンバー紹介で毎日それぞれ対応する柚香光の瞬発力もすごい。1日はまどかちゃんをお姫様だっこしてグルグルまわってたなー。いいなー(という年不相応な感想)。

まだまだ書き足りないけど本当に120点満点のコンサートだった!

 

宝塚は今大変な困難に直面していてファンとしては心を痛めて心配して見守ることしかできないけど、劇団や親会社は変えなければいけないところにきちんと向き合ってほしい。会見とか見てると関西の会社の駄目な部分が色々目について「だからあかんねん!」と言いたくなる。言わんでもわかりまっしゃろ、というなーなーの馴れ合いの感じが本当に駄目。ちゃんとしようよ、ちゃんと。そうじゃないとオールドなファンの青春の思い出まで悲しみを伴ってしまうではないか。
こないだのイベントで鳳蘭が今の宝塚について愛が足りないんじゃないかと心配してたけど、劇団幹部側の愛のない対応が漏れ伝わっていたのかもしれないな。創業者一族として松岡家から誰かきてもらえないものなのか。
パワハラについては私も指導する側なので世代間のギャップにとまどったり、伝える難しさもよくわかるし何が正解かわからないけど、あれだけの舞台を届けるには本当に厳しい訓練と指導が必要なんだろうということは想像できる。稽古の時間だってそりゃ普通のサラリーマン的な考え方を当てはめちゃ駄目でしょと多少擁護もしたくなるけど、その中でパワハラといじめを回避する対策を立てなきゃいけないんだろな。トップスターに任せるばかりじゃなくて。
全てのタカラジェンヌが健やかにタカラジェンヌ人生を全うできることを願ってやみません。

2023年前半備忘録

2023年2月4日(土)
クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ

チケットは事前購入していたとはいえ、会場はすごい人。
美しいドレスの数々にうっとり。
まず初めに歴代のデザイナーごとの展示があってよかった。
ラフ・シモンズのデザインが一番好き(もちろん創業者以外で)。映画「ディオールと私」を観たことがあるのも影響してるかな。
wowowで放送されたマリア・グラツィア・キウリを追った「クリスチャン・ディオール 華麗なるモードの帝国」も観たことあるけど、こちらはドキュメンタリー制作側の力量不足を感じる内容だった。ただ、マリア・グラツィア・キウリはすごいなーと思った記憶が。

モックアップは1点1点もっとじっくり観たかった。
歴代の香水のCMを見ることができたのもよかった。

 


2023年2月8日(水)
刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語
TOKYO DOME CITY HALL

クライアントだった方に誘っていただいたので興味本位で観に行った。
最近退団された方から順に動きのキレがあった印象。こうやってOGの方々が活躍される場が増えるのはいいことだ。
話はちょっとややこしくしすぎ感。主要メンバー以外のアクションが思ってた以上によかった。


2023年3月2日(木)
ジョン・ノイマイヤーの世界
東京文化会館

招待券をいただいたので。
ノイマイヤーの世界は単なるガラ公演ではなくて、1つの物語になっているのがいい。やっぱり「椿姫」「ニジンスキー」が好き。コジョカルはこんなにベテランなのになんでいつも可憐で初々しいのだろうか。「ニジンスキー」は前回の全幕公演観に行ったなー。リアブコが素晴らしかった。今回の「作品100-モーリスのために」もよかった。


2023年3月11日(土)
シルヴィア
東京文化会館

こちらも招待券をいただいたので。
残念ながらシルヴィアは菅井円加さんではなかった。踊る方の力量?パワー?によって受ける印象が全然違う作品なのではという気がした。

 


2023年4月22日(土)
アレグリア
お台場ビッグトップ

ちょっと思ってたほどの内容ではなかった。技がこじんまりした感じ。
本場ラスベガスで観たいものだ。

 


2023年4月28日(金)
「イン・ザ・ナイト」
「スプリング・アンド・フォール」
かぐや姫」第2幕 世界初演
東京文化会館

招待券をいただいたので。
かぐや姫」がよかった!影姫の沖香菜子さんに惹かれた。
シンプルだけど大胆なセットと衣装も世界観が統一されていてよかったな。

 


2023年6月10日(土)
さばかれえぬ私へ
Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展
東京都現代美術館

どちらも骨太な作品。対象を粘り強く追い続けている姿勢を尊敬する。

 


2023年6月10日(土)
恐竜博
国立科学博物館

仕事の関係で。なかなかの迫力で楽しかった。

 


2023年6月24日(土)
英国ロイヤルバレエ団「ロイヤル・セレブレーション」
東京文化会館

招待券をいただいたので。
ほんとはマシュー・ボールとヤスミン・ナグディのロミジュリを観に行きたかったんだけど、今は柚香光に金銭的に全集中ということで諦めた。
でも「田園の出来事」でマシュー・ボールを観ることができた!「田園の出来事」はさすが英国ロイヤルという感じで演劇色が濃い。マシュー・ボールの情感豊かな踊りが本当に好き。

 


2023年6月30日(金)
第17回 日経能楽鑑賞会
能「野宮」・狂言「清水」
国立能楽堂

招待券をいただいたので。
狂言「清水」はおもしろかったなー。野村萬さんがものすごくキュート(なんて言ったら怒られるか)。

 

宝塚大劇場花組公演『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』

7月8日(土)11:00公演 B席上手(友の会一般)
7月8日(土)15:30公演 S席2階センター(チケトレ)
7月19日(水)11:00公演 S席1階下手(au
7月19日(水)15:30公演 B席下手(友の会先着)
7月20日(木)15:30公演 A席1階センター(友の会2次抽選)
7月21日(金)13:00公演 A席1階上手(友の会先着)
7月22日(土)11:00公演 A席1階上手(友の会先着)
7月22日(土)15:30公演 S席2階センター(ぴあ貸切)
7月23日(日)11:00公演 B席下手(友の会先着)
7月23日(日)15:30公演 A席1階上手(友の会2次抽選)
7月25日(火)11:00公演 A席1階下手(友の会一般)
7月25日(火)15:30公演 S席1階上手(e-plus)
8月3日(木)11:00公演 B席上手(友の会2次抽選)
8月3日(木)15:30公演 A席2階下手(ローチケ)
8月4日(金)13:00公演 B席上手(友の会先着)

https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2023/oshidori/index.html

家族、友人に呆れられながら15公演も観た!
でもいよいよ介護の問題も出てきそうで、観れるときに観とくが吉ということにしておく。鳳蘭が久しぶりに宝塚を観に来たファンの人に、宝塚を観に来れてるということは生活に大きな問題がないということだからよかった(ニュアンス)と声をかけたという記事を昔読んだことがあって、ほんまにそうやなーと思う。

思いつくままに...

・プロローグは「🎵二人の春ごよみ〜」で片手を前に出してヒラヒラしながら目を合わせる時が好き。のっけから幸せモード。
・一旦袖に入って再び登場してからの2人の踊りは一瞬一瞬がまるで一幅の絵を観ているように美しかった。
・柚香光演じる礼三郎様は劇中何度も言われるように抜群にいい男。この役を説得力を持って演じられる人は本物のスターだわ。
・星風まどか演じるお春ちゃんが本当に可愛い。間合いが絶妙。歌も日本物の歌い方が抜群に上手い。
・星空美咲演じるおとみちゃんが銀橋で取り巻きたちに「♪二束三文投げ売りのお顔ばかりで気に入らぬ〜」と歌う時に、二束三文って酷すぎる...といつも笑ってしまう。星空美咲も上手い、っていうかみなさんびっくりするぐらい役にはまってる。終盤、三吉に乗り替える(?)場面もだんだん大袈裟になってわかりやすくなってよかった。
・青葉の笛の場面はシュールすぎて、最後のパレード的な時にいつも笑ってしまう。これをやり切る花組さんの総合力と小柳先生の演出が何気にすごい。お殿様を演じる永久輝せあもすごい演技力だと思う。聖乃あすかは可愛いし。敦盛に扮する帆純まひろも美しい。
・お春ちゃんが礼三さんを夏祭りに誘おうとする時のやりとりも、あー礼三さん本当は一緒に夏祭り行きたいんだなーというニュアンスが回を追うごとに見えてきてよかった。セリフには一切ないのに、行間で礼三さんむっちゃお春ちゃんのこと好きじゃん!ということがわかる芝居。だからこそ何回観ても飽きないのかも。
・夏祭りの歌い出し「♪ハァー 夏の空に〜」が本当に大好き。テンションかなり上がる。愛乃一真、龍季澪、涼葉まれ、南音あきら、みなさん歌が上手いので聴いていて楽しい。まさに適材適所。8日に観た時に1列目下手の男性がかなりノリノリで手拍子してたので面白かった。
・相合傘の場面は礼三さん、もうちょっとだけ積極的でもいいんじゃない!?と思ったり。あと傘を今よりほんの少しお春ちゃんの方に寄せてあげてほしい(韓ドラの見過ぎ)。それからもう少し場面の尺とってあげた方がいいんじゃないか、とも思った。最後かなり早足で花道に捌けるので。
・礼三さん客席から登場の場面は前回も書いたけど、何度見ても色気にクラクラする。そういえば藤尾のお母さんも同じこと言ってたな(笑)。
・立ち回り前は礼三さんのかっこいいが詰まってる。
 花道からの全力ダッシュ
 銀橋行く前にお春ちゃんと手をつなぎなおすところ
 帯紐を結び直す?ところ
 動きやすいように脚をガッと広げるとき
 万が一のために刀を差してきたところ
・「ありゃあ殿様じゃないか」って言う前に二度見するところが地味にツボ
・立ち回りの場面はみんなが言ってるほど私はおみ足に夢中ではないんだけど、棒を振り回すところが大好き(あの長さの棒を振り回すの大変だと思うけど)。傘を受け取る時も超超かっこいい。あーかっこいい。
・最後の大団円はマスクの下で自然とニコニコ顔になる。お芝居でこんな幸せな気持ちになることって意外とないよなー。礼三さんの下駄ップの時の掛け声?はどなたかと思っていたら、京三紗さんだと知って笑ってしまった。そういえば掛け声入った時、礼三さんいつも本舞台の方見て笑ってらしたなー。

 

なんて書いてたら、柚香光退団のお知らせが(大泣)。
やーまぁいろいろフラグは立ってたから覚悟はしてたんだけど。
現実逃避で逆に猛烈に仕事をするという謎の行動をとってしまった。お盆なのに。
でも柚香光の場合、それが何であれ何か表現するところを今後も観せていただければ全然大丈夫。むしろ世界に羽ばたく柚香光を観てみたい。どうか年に一回くらいはそのお姿を観れる機会がありますように...。なつめさんのようにダンスリサイタルしてくださったら最高なんだけど。ターコさんのように舞台で活躍されるような気もしてる。そうだ!ハムレット演じてほしいわ〜。

宝塚大劇場花組公演『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』『GRAND MIRAGE!』

https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2023/oshidori/index.html

 

1週間宝塚に滞在して花組三昧してきたのでなかなか現実に戻れない...
来週もまた遠征予定だけど、本当に毎日2回観ても全然飽きないどころか、もう1回、あと1回ってなるから麻薬のようだわ。

・徐々に変化してはいたけど7月25日(火)ソワレから明らかに礼三郎様のお春ちゃんに対する態度が歳の差のある大人の男で、お春ちゃんのことが可愛くてしょうがないという感じがよりわかりやすく出ていてよかった!
・なのになのにあんなに色っぽく「♪消えたはずの埋み火が この身焦がす〜」って歌われた日には...。たまらん!この曲だけ先に配信して欲しい。
・この時の客席から登場する礼三郎様が究極に格好がよくて、粋で、色気が滴り落ちていて堪らん。目線をふと下に落とす時とかあまりの色気に倒れそう。歌舞伎なら絶対大向うから掛け声が飛ぶ場面だわ。
・消えたはずの埋み火って、礼三郎さん過去に何があったの!?って想像力を掻き立てられる(誰か薄い本作って)。

・レビューはシボネーと幻影の場面が最高すぎる。
・シボネーってなんでこんなに身体の底からワクワクする感じになるんだろうか。
・ただプログラムに振付:若央りさ、ってなってるのはいただけない。喜多弘でしょ!でもナウオンで柚香光がちゃんと喜多先生に言及してくれたのでよかった。
・それにシボネーは作曲も高橋城先生だよね。プログラムの制作陣は舞台を創っている方々への敬意が足りないのでは。
・高橋城先生も亡くなられたのか...。素晴らしき楽曲の数々をありがとうございます。
・シボネーは全体を観てこそ、ってわかってるんだけど柚香光がカッコ良すぎてどうしてもオペラを上げてしまう。
・セリ上がってくる時の柚香光がギリシャ彫刻のように美しくて涙が出てくる。稲葉先生が柚香光にアキレウス役作ったの今更ながらわかるわ〜。
・幻影の場面は観てる間、「ヤバい、かっこいい、かっこよすぎる、何今のダンス、キレが良すぎて脳内の処理が追いつかない、かっこいい、ヤバすぎる、ずっと踊っててー」って感じ。
・柚香光様におかれましては、髪の毛をもっとくしゃくしゃして頂きたく。
・柚香光が投げキッスと共に壁の向こうに去っていった後のヒューって風がふく演出、まさにファンの心境。幻を観ていたに違いない。

デュエットダンスは、これぞロマンティックを体現したデュエットダンスでうっとりするし、本当に幸せな気持ちになる。山田卓先生振付のデュエットダンスを思い出したなぁ。

うー、ひとまず興奮を鎮めようと書いてみたけど、観たさが募るだけだったわ。

2022年後半備忘録

もう2023年前半備忘録を記してもいい時期に2022年後半のを...
時の流れがあまりにも早い。

2022年7月14日(木)
坂東玉三郎人間国宝・歌舞伎俳優)~お話と素踊り~
坂東玉三郎(お話/素踊り)
富山清琴(三絃/胡弓/歌)富山清仁(三絃/歌)

0714坂東玉三郎 - LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

招待券をいただいたので。
玉三郎丈の舞は美しい。もう70歳超えておられるのに!
お話は結構毒舌でおもしろかった。

 


7月の大歌舞伎と峰さを理追悼公演はコロナで中止に。
今年の峰さを理追悼公演はチケット取れなかったので残念無念。



2022年9月10日(土)
NHK交響楽団 第1962回 定期公演 Aプログラム
ファビオ・ルイージ首席指揮者就任記念

指揮:ファビオ・ルイージ
曲目:ヴェルディ/レクイエム
ソプラノ:ヒブラ・ゲルズマーワ
メゾ・ソプラノ:オレシア・ペトロヴァ
テノール:ルネ・バルベラ
バス:ヨン・グァンチョル
合唱:新国立劇場合唱団

ファビオ・ルイージの就任記念公演は行くしかない!
まぁルイージヴェルディのレクイエムは鉄板プログラムでしょ。
ソロはオレシア・ペトロヴァとヨン・グァンチョルがよかった。

この公演からカーテンコール時の写真撮影がOKに。

 


 

2022年9月15日(木)
第149回東京オペラシティ定期シリーズ

指揮:アンドレア・バッティストーニ
曲目:リスト(バッティストーニ編)/『巡礼の年』第2年「イタリア」より ダンテを読んで、マーラー交響曲第5番

お誘いいただいたので。
『巡礼の年』公演中に聴きまくった「巡礼の年」をオーケストラでということで興味津々。ちょっと力技のような気もしたけど、こういうチャレンジはすごいなぁと思う。

 


 

2022年9月20日(火)
ヤクルト巨人戦

村上の55号が見れるかと思って行ったけど残念ながら村上はノーヒット(泣)。でも久々の球場での野球観戦で楽しかった。巨人のドームでの最終戦で最後はセレモニーも。

 



2022年9月23日(金)
〈オペラ・フェスティバル〉特別企画 旬の名歌手シリーズ2022-Ⅲ
リセット・オロペサ & ルカ・サルシ
〜華麗なるオペラ・デュオ・コンサート〜

指揮:フランチェスコ・ランツィロッタ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:リセット・オロペサ(ソプラノ)
   ルカ・サルシ(バリトン
曲目:ヴェルディ
   歌劇「シチリア島の夕べの祈り」“ありがとう、愛する友よ” [オロペサ]
   歌劇「リゴレット」“悪魔め、鬼め” [サルシ]
   歌劇「椿姫」
   “ああ、そはかの人か 花から花へ” [オロペサ]
   “プロヴァンスの海と陸” [サルシ]
   歌劇「リゴレット
   ジルダとリゴレットの二重唱 “いつも日曜日に教会で” [オロペサ&サルシ]
   ドニゼッティ
   歌劇「ランメルモールのルチア
   ルチア の狂乱の場 “あの方の声の優しい響きが〜この世の苦い涙を” [オロペサ]
   ヴェルディ
   歌劇「ドン・カルロロドリーゴの死 “終わりの日がきた” [サルシ]
   ドニゼッティ
   歌劇「愛の妙薬」“何という愛情〜やさしい流し目” [オロペサ&サルシ]

招待券をいただいたので。
大好きなヴェルディの歌曲を聴けて至福の時だった。
オロペサはすごい華やか。

 



2022年11月4日(金)
大手町座 第32回
六代目 神田伯山 独演会

読み物:「海賊退治」神田梅之丞
    「赤穂義士外伝〜鍔屋宗伴」神田伯山
    「赤穂義士銘々伝〜大高源吾」神田伯山
    「赤穂義士外伝〜荒川十太夫」神田伯山

まぁほんとに面白い。グッと引き込まれる。もっともっと独演会行きたいんだけどチケットが取れない。

 


 

2022年11月11日(金)
モナコ公国モンテカルロ・バレエ団
「じゃじゃ馬馴らし」

振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
音楽:ドミートリー・ショスタコーヴィチ

招待券をいただいたので。
すごいスタイリッシュでダイナミックだった。

 


 

2022年11月12日(土)
上野 de クラシック Vol.75 木管五重奏&ピアノ

出演:フルート:梶川真歩
   オーボエ:𠮷村結実
   クラリネット:アレッサンドロ・ベヴェラリ
   ファゴット:柿沼麻美
   ホルン:濵地宗
   ピアノ:居福健太郎

曲目:ダマーズ:フルート、オーボエクラリネットとピアノのための四重奏曲
   ファランク:六重奏曲 ハ短調 Op.40
   モーツァルト:ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 K452
   ブルーメル:六重奏曲 Op.45

友人の知り合いが出演されていたので誘ってもらう。
オーボエの𠮷村結実がよかった。

 



帰りに国立西洋美術館の「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」へ。

こういう〇〇と〇〇展ってあんまり良い内容のことがない印象なんだけど、これはすごい良い展覧会だった。単純に展示されている作品がいいものが多かったからかな。クレーの作品をたくさん見れたのも嬉しかった。

 


 

2022年11月30日(水)
スーパーソリスト達による秋の特別コンサートVol. 2
藤田真央 協奏曲の夕べ

ピアノ:藤田真央
指揮:ロリー・マクドナルド
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
曲目:ウェーバー:オペラ『オイリアンテ』序曲
   ラフマニノフピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op. 18
   ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op. 30

圧巻。ラフマニノフピアノ協奏曲第2番と第3番を続けて演奏するって凄すぎる。第2番はちょっと本調子じゃないのかなーと感じた箇所もあったけど、なんのなんの尻上がりに良くなってきて第3番は本当に本当によかった。藤田真央この年齢ですごすぎる。藤田真央の音はずーっと聴いていたくなるんだよなー。

 


 

2022年12月23日(金)
Storia II

Concert Details | 東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール

出演:服部百音(Vn)、佐藤晴真(Vc)、藤田真央(Pf)
曲目:ハイドン : ピアノ三重奏曲第25番
   スメタナ : ピアノ三重奏曲
   チャイコフスキー : ピアノ三重奏曲

2022年をこのような才能あふれる若手演奏家のコンサートで締められてよかった。個人的にはチャイコフスキーピアノ三重奏曲が一番よかったけど、スメタナピアノ三重奏曲は、なかなか実演を聴く機会なんて無いだろうから貴重。もちろん藤田真央目当てで行ったけど、服部百音も佐藤晴真も素晴らしい。トークでは、3人がそれぞれ全く違う個性で、かなり自由な藤田真央に対してお姉さん気質(と思われる)服部百音がはいはいという感じで進行していたのがおもしろかった。当日魚の骨が喉にささって声があまり出ない服部さん(笑)。



 

小林一三生誕150年祭!!!Ver.1 ~星組誕生★90年~

2023年5月27日(土)16:00開演 マグノリアホール

出演:鳳 蘭/7代目宝塚歌劇団星組トップスター
   日向 薫/10代目宝塚歌劇団星組トップスター
   麻路 さき/12代目宝塚歌劇団星組トップスター

 

ネッシーさんのファンとしては若干物足りない感じ。鳳蘭無双だった(笑)。1部は一三先生の業績振り返りとそれぞれのトップ時代のエピソード。どうしても既に知ってる話が多くなるから、こういう時は司会の方がもう少し突っ込んだ話をするように誘導してほしいところ。だってこういうイベントに来る人たちは相当コアなファンだし。
今度はシメさんとネッシーさんでやってほしいなー。シメさんは音楽学校の先生だからこういうのは出ないのかな?27日の午後の部はじゅんべさんも来ておられた。変わらず雰囲気が可愛らしい感じ。

2部はネッシーさんとマリコさんが「パレード・タカラヅカ」を歌って登場。それぞれが2曲歌い、締めは3人共フェルゼンを演じたことがあるということで「愛あればこそ」。ただ3人のハモリはいまいちで無理して3人で歌うことなかったかなーとも思った。
ネッシーさんはディガ・ディガ・ドゥより「いつも夢みて」と紫禁城の落日より「大いなる落日」。ネッシーさんいつも「大いなる落日」を歌われるけどたまには変えて欲しいなー。「夢泥棒、恋泥棒」「希望の帆」「炎のボレロ」「エリシュオン」「春の日の夢」とか他に聴きたい曲がいっぱいあるんだけど...。
「いつも夢みて」は大好き。歌終わりそのままシギさんとダンスしてほしかった。当時はそこまで分析してなかったんだけど、きっと私はネッシーさんの相手役を包み込むようなやわらかい優しい雰囲気が好きだったんだと思う。

鳳蘭はお年を考えると脅威の歌声。歌が芝居になっていて一瞬でその世界観にもっていかれる。すごい。

藤井大介先生と野口幸作先生が最前列に座っておられて、お二人を認識していないツレちゃんが2人のことをオッサンとかぼくちゃんと呼びかけていたのでかなりウケた。「なんでこんなおっさんたちが最前列に?」とか野口先生がうなづきながら曲を聴いておられたので「ぼくちゃん、私の宝塚時代知らないでしょ?」とか言ってて、さすがに最後のほうにマリコさんが「演出家の先生なんですよ」と教えてあげて、ツレちゃんかなり動揺してはった(笑)。でもまぁ鳳蘭からしたら野口先生はぼくちゃんだろうな(笑)。観客大爆笑。藤井先生が「お食事ご一緒したことが...」とアピールしていて「マスクしてるからや」とマスクのせいにしておられた(笑)。あーおかし。


ベルばらの話が結構出てたから思ったけど、野口先生潤色演出のベルばらならちょっと観てみたいかも。ベルばら45周年の記念イベント公演『ベルサイユのばら45』の時に今の時代に不要な場面削ったらやっぱりベルばらっておもしろいかもと思ったのを思い出した。歌舞伎の見得のように型がある芝居も宝塚の1つの伝統ではあるだろうし。それになにより柚香光に喜多先生の「ばらのタンゴ」を踊ってオラついてほしい。あーでもオスカルは「ばらのタンゴ」は踊らないのかな。うーむ。

 

 

梅田芸術劇場メインホール花組公演『二人だけの戦場』

4月30日(日)16:30公演 A席2階下手(友の会抽選)
5月   1日(月)16:30公演 S席1階上手(e-plus)
5月   6日(土)13:00公演 S席1階センター(梅芸抽選)

https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2023/futaridakenosenjou/index.html

 

戦争や争いの虚しさを日々の生活や恋愛を通して感じさせてくれるいいお芝居だった。「愛の不時着」と多くの共通点があるように思う。東京のチケットが1枚も取れなかったのが辛すぎる。東京の千秋楽カメラ1台定点でいいので配信してほしい(泣)。

・初見、冒頭のシンクレアの歌「孤独な戦い」の柚香光の声が苦悩に溢れていて歌詞の内容もあり早々に泣いてしまった(初演は観ていない)。
士官学校を卒業したシンクレアが理想に燃えて輝いているのが眩しい。柚香光はS1から打って変わってキラキラした青年の表情になっていて素晴らしい。白軍服の立ち姿が本当に軍人。
・自分が歳をとったとか時代がだんだんきな臭くなってきているとかで、軍服を着た男役さんを単純にかっこいいーと喜べない葛藤が自分の中にあって複雑。そして柚香光はそういう点を自覚しているような気がする。
・クリフォードとは本当に男同士の友情が醸し出されていていい感じ。柚香光と永久輝せあのコンビ、これから本当に楽しみ。バッサバッサ(笑)
・アルヴァを演じる希波らいとに何があった?と驚く成長ぶり。ナウオンによれば鎧を脱いでいった結果なのか。こういう成長を見れるのも宝塚の良さだなー。
・朝葉ことのもすごい良かった!私の中で草笛雅子、春風ひとみ、洲悠花レベルのいい女役さんになる期待でいっぱい。ベルバラのジャンヌで「♪あの女をギロチンに〜」を歌ってほしい。宝塚はどうしたってスター至上主義だけど、ファンは何十年たっても心に残る演技をしたジェンヌさんのことを忘れないものだし、そうやって記憶に残り続けるって素晴らしい仕事だと思う。なので座付作家はスター以外(というと語弊もあるが)も輝ける役をどんどん生み出していってほしい。今の中堅の座付作家はそこらへんが弱いと思う。
・シンクレアがライラが落としていったネックレスを届けてライラにつけてあげるところの少しドギマギした表情が初々しくて微笑ましい。つけれた後「できたっ!」と言ってサッと離れるところもかわいい。こういう細かい感情表現って役になりきっているからこそだと思うし、それを表現できる演技力があるからなんだろうな。手に刺さった棘を抜いてから思わず抱きしめようとする時とかすごいリアル。
・シュトロゼックが任意同行された後のライラとシンクレアのぶつかり合いはシンクレアが自分の無知ゆえの傲慢さに気づいた場面でもあったな...。たぶん民族虐殺的なことが過去にあってライラの母親がそれに巻き込まれたということを察して初めて自分の言動がいかに強い立場からの物言いだったのかということに気づくという流れがよかった。あまり説明的ではないので観る人によって色々な解釈がありそうだけど。でも最後にシンクレアが謝ることでシンクレアという人物を信じられる。
・シンクレア、クリフォード、アルヴァが「近くて遠い人々」を歌う場面はそれぞれの身悶えする感じが伝わってきて辛い。柴田 × 寺田は黄金コンビだけど、正塚 × 高橋城コンビが作り出す楽曲も名曲が多い。歌詞とメロディに感情を揺さぶられる。
・クェイド少佐を撃ったあとの演技と最前線で戦うダンスの時の柚香光の表情に狂気を感じた。本物の役者はすべからく狂気を演じることができるべきだと思うけどそれを宝塚で観れるとは。この演目だから出来たことかもしれないけど宝塚にいながらリミッターを外した柚香光の勇気に感服する。
・再会の場面は毎回ハンカチが必要だった。それまで希望のない暗い目をしていたのにライラに会ってから徐々に(この徐々にというのがすごい)目に力が戻ってきて若々しい表情になるので、観ていて本当によかったという感情になる。
・柚香光のベースメークが薄塗りなのに綺麗で素敵だったけど、TAKARAZUKA NEWSを観る限り『舞姫』の聖乃あすかのベースも同じように見えたので、何か柚香氏からのサジェスチョンがあったのかな?
・アンコールのダンスはみなさんキレッキレで素晴らしい。

あー、ライラじゃないけど覚えているつもりでもどうしても少し思い出せない箇所があるの(悲)。劇団のご担当の方々、どうか早めに歌の配信を開始してブルーレイを発売してください。よろシンクレア(言いたい)。ブルーレイはもちろん購入しますが、気軽に再生できるという利点があるので初演のように実況CDも発売してほしいなー。

大学時代の友人たちと話していた時に最近の台湾をめぐる様々な情勢についての話題になり、友人の1人がもし中国が日本を攻める姿勢をみせるのであれば反撃するべきだと気軽に言ったことがショックだったんだけど、そういう考え方をする人たち(このお芝居で言えばクェイド少佐的な人たち)は少なくないんだろうな...。いったん戦争が起きたら自分たちの生活にどういう影響が及ぶのかという事に対する想像力が不足しているのではと思わざるをえない。そういう意味でフィクションが果たす役割はまだまだあると思う。梅田の千秋楽に花組ポーズをして喜べるのは平和があってこそということをいつもより強く感じた次第。

東京宝塚劇場花組公演『うたかたの恋』

2月18日(土)13:30公演 S席1階下手(チケトレ)
3月  1日(水)13:30公演 B席2階センター(チケトレ)
3月  8日(水)13:30公演 立ち見下手(友の会一般)
3月17日(金)11:00公演 A席2階上手(友の会抽選)
3月18日(土)15:30公演 S席2階下手(チケトレ VISA貸切)

チケット難で東京公演は5公演しか観れなかった(涙)。でも妹に言ったら「十分やん」ってあっさり突っ込まれた。

すでに4月で記憶が薄れてきてるけど、ムラとの違いなど印象に残った点を。

・ステファニーに対してはムラのように冷たく突き放しているのではなく、どう接していいのかとまどってる感。これはいい変更だと思った。ステファニーに同情が集まりすぎるとこのお芝居の趣旨がズレるなーと思っていたから。

・ブラットフィッシュに対しても少し優しくなっていたような。小柳潤色版の『うたかたの恋』ではこの溌剌としたブラットフィッシュがいてくれてよかった。

・ザッシェルの店やプラーター公園でのルドルフは、大勢の中では自分の立場上笑ってはみるけど、心を病みすぎてそれも長くは続けていられないって感じだった。柚香光が『エリザベート』で演じて以来ルドルフという人に興味を持ち続けているというような事を言っていたけど、今回の『うたかたの恋』を観て私もルドルフについてものすごく調べてみたくなった。なんでこんなことになったのか2、3代前からの帝国の歴史の本を読んでみようと思う。

・柚香光の歌が指数関数的に上手くなっていると思う。「小さな青い花」の最後の「♪はーなー」のところとかムラより断然良かった。『元禄バロックロック』時は低音が少し揺れるなーとは思っていたけどそんなことも無くなったし。男役として声が安定してきたからなのかな?

・プラーター公園でジャンと打ち合わせ?をする兵士たちやマイヤーリンクにルドルフを逮捕にくる兵士たちのセリフ回しや立ち方が随分よくなってたと思う。

・マリーがいなくなって大荒れで鏡に向かって銃を向けるルドルフはちょっと宝塚の枠を超えていたように思うけど、これは柚香光の美貌だからこそできること(宝塚的にも許されること)だと思うから、これからも必要な場面では少しづつ枠を超えた演技をしてほしいと個人的には思う(ついてこれなくなる観客はいるだろうけど...)。

・最後のマイヤーリンクの一連では、ムラではルドルフと一緒なら死ぬのも怖くないまだ幼いマリーという印象を受けたのだけれど、東京ではルドルフを最後まで守らなければというマリーの優しさと気概みたいなのをすごく感じたなー。

 

宝塚大劇場花組公演『ENCHANTEMENT(アンシャントマン) -華麗なる香水(パルファン)-』

なかなか仕事が忙しくて、仕事中にブログを書く余裕がなかった(当然か)。

昨日は東京公演の初日を9列目で観ることができまだ少し夢見心地。昨日のショーは柚香光の歌が絶好調だった。ムラの記憶は少し薄れつつあるけど、ムラでのショーの感想。

『ENCHANTEMENT(アンシャントマン)』は「あー、もう好き!大好き!!」。これに尽きる。歌詞から曲から衣装から何から何まで大好き。野口先生、加藤先生、青木先生ありがとうございます🙏
特に「♪ENCHANTEMENT すみれの花の ENCHANTEMENT 初恋の歌 ENCHANTEMENT 忘れ得ぬ ENCHANTEMENT 夢の瞬間(とき) 永久(とこしえ)の花園 青春の思い出 華麗なる香水(パルファン)」という歌詞にオールドファンとしては泣きそうになる。まさに宝塚は青春の思い出であり、今なお夢をみさせてくれる魔法の空間だわ。是非ずっと歌い継がれていってほしい名曲。

・プロローグのチョンパは鉄板でときめく。なんて華やかなんだろうか。

・星風まどかが銀橋で歌っているときにセリ上がってくる柚香光が帝王の風格。この場面は2階席から観るのが良かった。ゴールドのお衣装が本当によく似合ってる。

・その後のデュエットダンスの「♪けもののように 踊りあかそーー」のところでまどかちゃんが背中そらすリズミカルな振りが大好き。なんか自分も一緒に踊りたくなる。これ以外のデュエダンもすべて柚香光が本当にずっとまどかちゃんを見つめていて尊い

・永久輝せあ筆頭のシトラス・ボーイの場面は次の世代の布陣だよね、と少しだけ複雑な気持ちになりつつ、でも美しい。希波らいとを紹介?する時にステッキを横にする振りが好き。

・ラインダンスの場面は曲のつなぎが天才的。足上げるところで「A Pretty Girl is Like a Melody」になるんだけど、私にとってこの曲との出会いは大地真央が歌った'85TMP音楽祭「ブロードウェイにようこそ」なので、初見の時は脳内で真央さんが歌い出した。

・NYCの場面も楽しくて大好き。柚香光の横歩き、横移動が大好物。この場面はナツメさん時代の花組ショーを思いおこさせてくれた。娘役さんに囲まれてる柚香光はほんと嬉しそう(笑)。「シュー、サッ、サッ」っていう柚香光がお茶目。

・NYCのマドドンモンローが出てきてからも大好き(しつこいけど全部好き)。こんな楽しくて洒落たデュエットダンスなかなか観られないと思う。1月20日(金)の公演の時は2人とも重力が感じられないほど軽やかな感じがして特によかった。この場面に限らず柚香光のアームスの使い方が本当に美しくて好き。マルセロ・ゴメスにしろ、マシュー・ボールにしろ私は腕の使い方が綺麗なダンサーが好きなんだわ。
マドドンモンローが「♪見つけたー」て歌う時に、柚香光が帽子を脱いでまどかちゃんの方に挨拶するのもかわいい。

・一転してオリエンタルになって銀橋に飛び出してくる聖乃あすかが超美しい。衣装とおでこの紐(なんて言うんだっけ)がものすごく似合ってる。

・オリエンタルの場面は娘役皆さん髪型揃えていて素敵。エイトシャルマントのみなさんもなんてスタイルがいいの。タカラジェンヌってやっぱりすごい。

・水美舞斗が男役ひきつれて銀橋で歌う時の貸切のアドリブに笑った。特にJCB(笑)。e-plusの時に自分でエコーかけてたのも笑える。

・オリエンタルのデュエットダンスも大好き。まどかちゃんの登場の仕方がイイ。この時うしろを向いている柚香光はまどかちゃんにどんな表情を見せてるんだろうなー。「愛の歌」の歌詞的に、自分の中で勝手にルドルフとマリーが生まれ変わって幸せに愛し合えてよかった、と思っていた。ちょうど「♪とこしーえの恋」の時に鼻がふれあうのでときめくわー。

・デュエダン終わったあとに柚香光が歌いながら銀橋に行くんだけど、あんなに踊ったあとに息も切らさず歌うのって本当にすごい。観てる方は楽しいけど基本的にこのショーはみなさん超ハードだよな...。

・シーソルトの娘役さんたちはかわいすぎていつもマスクの中でニヤニヤしていた。

・ムスクは言うまでもなくカッコいいけど、特に好きなのは
 1.帽子を受け取ったあと、気合い入れるかのように上を向いてなんか言うところ
 2.一回ゆっくりになったリズムがまただんだんアップテンポになるところ
 3.1人帽子を脱いだ柚香光が激しく頭を振るところ
 4.銀橋に行く時のムスクガイたちの掛け声。暗転になってから「オラー」って言ってるのはひとこちゃん?すごくいい。
 5.暗転になって袖に入る前の柚香光のジャケットプレイ(1回だけ視えた)

・そして一体何秒で着替えてるんですか?と毎回驚くグルマンの柚香光の登場。すごすぎる。

・グルマンでの柚香光は本当に全身で踊って表現していて、なんてすごいものを観せてもらってるんだろうと感動する。

・アイドルの場面終わりにスタンバイする柚香光と娘役さんたちがシルエットでポーズを決める遊び心が好き。

・「♪君の住むこの街は すいかずらの甘い香りに 満ち溢れ 夢誘うーー」っていう歌詞が好き。すいかずらの甘い香りを嗅いでみたい。

・フィナーレの娘役さんの衣装も大好き。こういうドレスでスカートを広げる振り付けがそもそも大好き。『紫禁城の落日』のフィナーレを思い出した。

・黒燕尾にシルクハット、ステッキの柚香光にずーっとウットリしてた。

・デュエットダンスのまどかちゃんの衣装も素敵だったなー。ここまで散々踊ってきたからさすがに最後のデュエットの柚香光はサポート役という感じだったけど、まどかちゃんがクルクル回る振りは幸せな気持ちになるし、リフト前のおいでっていう柚香光の表情にもときめく。銀橋をまどかちゃん目掛けて一直線に走って行く柚香光もかわいくて好き(笑)。

・これは毎回そうなんだけど、パレードで柚香光が慎重に大階段を降りてくるのが愛おしい。そしてピンスポがガーっと広がっていくときに感無量になる。

3時間の夢の世界をいつもありがとうございます。

そういえばれいちゃん(カテコの柚香光はれいちゃんと呼びたい)が梅の見頃にも負けず?みたいな事を言っていたので、帰り道おもわず写真を撮ってしまった。